「思考の整理学」要約&内容紹介【大学生必読の名著】

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今回は、外山滋比古の名著「思考の整理学」の内容を紹介していきます。

僕は高校2年生の時に「思考の整理学」に出会いました。

それ以来、この本は、僕の思考やアイデアを支え続けている愛読書となっております。

本当に、出会えて良かった本の1つです。

いくつか内容をシェアしてますので、是非この機会に思考を整理して下さい。

「思考の整理学」を読むことで、「考える」とは何なのか、ということをもう一度見つめ直したり、いいアイデアを出すための工夫やヒントを得ることができます。

要するに、学校教育だけでは決して身につかない「思考法」の部分について、知の巨匠、外山滋比古先生の意見を参考にできる、そんな一冊です。

学生だけでなく、ビジネスパーソン、特にクリエイティブな活動をしている方、またはしていきたい方にも必読の一冊でしょう!

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思考の整理学ってどんな本?


思考の整理学の情報についてまとめました。

タイトル : 思考の整理学

著者 : 外山滋比古(とやましげひこ)

出版社/レーベル : 筑摩書房/ちくま文庫

初版年度:1986年

 

かなり前の本ですが、「東大・京大で一番読まれた本」と注目され、累計240万部突破している超ロングセラー本です!


書店や、大学生協の図書コーナーには必ず置いてある一冊なので、表紙だけは見たことがある方も多いかもしれませんね。

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思考の整理学を読んだ感想


1986年初版の少し古い本ですが、現代にも通じる内容ばかりで ちっとも時代遅れの内容ではありませんでした。


「コンピュータが人間の仕事を奪うので、創造性が必要」といった 20年以上経った今でも議論されていることまで書かれています。



20年経っても未だに議論されているのもどうかと思いますが…w



また、良い思考やアイデアを生むために必要な「思考の本質」は、当然時代が変わっても風化することはありません。



ですので、この本で得た考え方は一生使えるものです。本当に早く出会えて良かったと思います。



また、本の中では、外山先生が実際に行っている生活術やメモ術なども書いてあります。これも参考になりました。



ただ、外山先生は、あとがきにこのように記されています。

だいたい、思考とか、思考の整理について、かんたんに方法を教えることは困難であると思っている。したがって、この本も、技術や方法を読者に提供しようとする意図はもっていない。いわゆるハウツウものにならないようにしたつもりである。

引用元 : 外山滋比古、思考の整理学、筑摩書房、p.217



要するに、「思考の整理学」は、実践的な内容を教えるためのハウツウ本ではなく、読者自身が、「思考」ということについてもう一度考え直すように訴えた本であると言えます。



確かに、内容の中に、ブランチ(朝食と昼食を兼ねた食事のこと)や1日に二回眠るメリットについて書いた内容がありましたが、それを実践しろと言った書き方は一切されていませんでした。



ですので、この本は書かれている内容をそのまま実践するような、巷で売っているノウハウ本としてではなく、外山先生の思考の一部を覗くように内容を読むことで、自分の思考法を見直したり、思考法のヒントを得ることを目的に読むのが良いと思います。


また、タイトルから内容が硬く思われがちですが、専門的なことはほとんど書いていないですし、書いてあっても必ず説明があるので大丈夫です。


さらに、ページ数も200ページちょいしかないですし、 文体も外山先生の人柄が伝わってくるほどくだけていて読みやすいので、普段本を読まない方でもスラスラと読めるでしょう。


「考える」ということに自信が無い方や、自分の思考法に疑問を感じている方、日々の知的生活を向上させたい方は、よっぽど変な啓発本やセミナーに参加するより有益で、自分の血肉となる一冊になる思います。

 

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思考の整理学の内容を2つだけ紹介


「思考の整理学」に書かれている内容はどれも興味深いものが多いので、是非皆さんにも全部読んで頂きたいです。


とはいっても、内容が気になる方もいるかと思いますので、この記事では、2つだけ紹介したいと思います!

グライダー人間と飛行機人間


1つ目は、この本の一番最初に出てくる「グライダー人間」の話です。

グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりもむしろ美しいくらいだ。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことができない。

引用元 : 外山滋比古、思考の整理学、筑摩書房、p.11


この話は、学校の成績が良く一般に優秀だと思われている人は、あくまで与えられたことを綺麗にこなす「グライダー」として優秀であり、自ら0から1を生み出す人間、すなわち「飛行機人間」としては全く別問題だという話です。


学校は基本的に「グライダー人間」をつくる教育しかしません。


そして、勝手に飛んでいく「飛行機人間」がグライダーの飛行練習に混じっていては危険なので、学校教育において、自力で飛ぶ力は評価されません。


もちろん、グライダーとしての能力も必要です。初めは何事も真似ることからしかできないので、グライダーとして優秀であれば基礎を早く習得することができます。


しかし、学校教育だけでは、変化の激しい現代において不可欠である創造的な自己解決能力、つまり「飛行機力」が欠けてしまう。


そんな現代の教育システムではまずい、と思った外山先生が、現代に溢れかえった「グライダー人間」が、創造性をもった「飛行機人間」になるためにはどのような思考を持てばよいのか、についてまとめた本が「思考の整理学」といっても過言では無いでしょう。

セレンディピティ


みなさんは「セレンディピティ」という言葉を聞いたことがありますか?


僕はこの本を読んで知りました(笑)


セレンディピティを辞書で調べるとこんな意味です。

求めずして思わぬ発見をする能力。思いがけないものの発見。運よく発見したもの。偶然の発見。
[補説]英国の作家ホレス=ウォルポール(1717~1797)の造語。ウォルポール作の寓話The Three Princes of Serendip(1754)の主人公にこのような発見の能力があったことによる。Serendipはセイロン(現スリランカ)の旧称。

引用元:大辞泉



つまり、何か主で取り組んでいることがあって、その最中に、取り組んでいることとは全く別の思わぬ副産物を得ることをセレンディピティと言います。



例えば、この本では、 イルカのことばの発見について書かれていました。


実はイルカが音波で交信していることは、戦後アメリカで行われた対潜水艦兵器開発の実験中に発見されたのです。


他にも、思いついたセレンディピティの例を挙げると、

  • ダイナマイトを作ったノーベルは、自分の指に付けていた水絆創膏に偶然ニトログリセリンが付着し、それが爆発性を持つことを発見した
  • 偶然、青カビがブドウ球菌の培養液の中に落ち、青カビが抗菌作用をもつことが発見され、ペニシリンが生まれた


などでしょうか。歴史的発見のエピソードって、確かにセレンディピティというか、偶然の産物がほとんどですよね。


このように、特に科学分野においては、セレンディピティによって時代をひっくり返すような発見が繰り返されてきたのです。


では、なぜセレンディピティは起こるのでしょうか。そして、歴史を変えてしまうような大発見につながるのでしょうか。


それは、人間の無意識は、注目しているものには上手く働かず、その周辺部に良く働くという性質があるからです。


まさに、この本の別章にも書いてありましたが、「見つめる鍋は煮えない」のです。


この本には、セレンディピティを起こしやすくするためのアイデアや工夫がいくつか紹介されています。


例えば、アイデアを思いついたら、とりあえずメモにとって「寝かせる」などです。そうすることで、アイデアが発酵してより良いものになるのになるのか、はたまたゴミなのか見極めるのです。


これも、要は一度自分の注目から対象を外すことで、新しい発見を誘発させるセレンディピティの利用方法と言えます。


他にも、たくさん目からウロコな思考の整理法が書いてありましたが、 書き出したらキリがないので、この辺にしておきます(笑)

 

まとめ


思考の整理学の内容について紹介しました。


今回紹介したのは2つだけですが、他にも自分の思考法、日々の過ごし方に関してヒントになるような内容がたくさんありました。


また、自分にとってどの内容が刺さるかは十人十色だと思います。

ですので、普段本を読まない方も、是非一度この本を手にとって自分の知的生活を見直して欲しいです!


それでは、良い読書ライフを!

にちじょー

Gute Reise!(よい旅を!)

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