ヨーロッパの大学は学費無料?! 欧州18カ国の留学費用を比較!【生活費も安い】

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日本の大学費用は世界的にみても安くありません。

学費の安い国立大でも年間60万弱、私立大ならその倍以上かかるケースが多いです。

そのため、奨学金を借りて借金をし、卒業後返済し続けるという、国にとってはそれはそれは素晴らしい仕組みが出来上がるわけです。

ちなみに、日本の教育費がGDP(国内総生産)に占める割合は、OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかで最低水準です。
日本のことを悪く言いたくないですが、はっきり言ってドケチです。

学問を学ぶべき大学生が大学に通う意味もわからぬまま就職のためと進学し、みんなバイトしてるのは世界的に見て相当異質です。

一方で、ヨーロッパの大学は基本的に学費が安いです。

しかも国によっては生活費も日本より安いです。超魅力的ですよね。

ということで、この記事ではヨーロッパ18カ国の大学(大学院)の学費・生活費を比較していきます!

この記事はこちらを参考にしています。筆者のドイツ留学の経験から、ドイツの情報の真偽はある程度分かりますが、他の国の細かい情報までは確認しかねます。間違いを含む可能性があることをご了承ください。
本記事での数字はあくまで平均値です。また、時が変われば状況も変わります。さらに、生活スタイルや各大学のシステム、奨学金受給など、人によってかかる費用は大きく異なります。詳しい情報は各大学のホームページ等を確認して下さい。
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学費が (留学生も) 無料の国

ドイツ

【学費】

  • 国立大学は、すべてのレベル(学士、修士、博士課程)の学生に対して、基本無料。
  • Baden-Württemberg州のnon-EUの学生は 年間€3,000
  • プログラムによっては授業費を払う必要がある。特にマスター。
  • すべての学生はセメスターごとに登録費として約€250支払う必要がある(これにより、州内とその周辺の公共交通機関の利用が無料になる)

【生活費】

  • 年間で€9,000~11,000 くらい



まずは、僕が現在交換留学で滞在しているドイツからです。


ドイツは学費が基本無料な上に他の西欧諸国と比べると物価も安いので、かなり留学費用を抑えることができます。

また、英語プログラムも非常に充実しているので、世界中から優秀な研究者・学生が集まります。つまり、国際的な環境でハイレベルな教育を受けることができます。

また昔から工学分野に強く、テクノロジを学びたい学生は最先端を学べるので特にメリットが大きいです。

ノルウェー

【学費】

  • 特別なプログラムを除けば、基本無料

【生活費】

  • 年間で約 NOK 139,680(ノルウェーコルナ)、 US$17,100くらい。


ノルウェーは留学生を含めたすべての学生に対して、原則学費を請求していません。素晴らしいですね。


しかし、問題は生活費。北欧は福祉が充実してる分物価が高いので、工夫してやりくりしないとかなり金銭的な負担が膨らんでしまうかも。

アイスランド

【学費】

  • 国公立大学は原則無料
  • 年間75,000ISK(アイスランド・クローナ、日本円で約7万円)前後の学生登録費が必要

【生活費】

  • 月に約140,600ISK(日本円で13万円強)


アイスランドも学費が無料です。ただ、ノルウェーと同様、物価が鬼高いことが懸念材料でしょうか。

フィンランド

【学費】

  • フィンランド語またはスウェーデン語で学ぶ学生は無料
  • 博士課程(PhD Level)の学生は無料(多言語でも)
  • 英語で学ぶ学生は 年間で€4,000-18,000

【生活費】

  • 年間約 €9,600


フィンランドは北欧でも物価が安いほうなので、北欧で学びたい方にとっては穴場かもしれません。


現地語で学べば無料ですが、なかなか厳しい道のりでしょう。
ただ、博士課程が無料なのはかなり魅力的ですね。驚きました。

ポーランド

【学費】

  • ポーランド語で学べば無料
  • 英語だと、年間 €2,000-3000

【生活費】

  • US$5,400-9,000 (東欧の生活の目安)


ポーランドは、東欧の中でも発展が目覚ましく、特にITが強いことで有名です。

また、物価が安いこと、日系企業が数多く存在すること、英語の使用率が高いことなどもポイントが高いです。

ポーランド語は難しすぎるし使い道が少ないので、逆に英語一本に集中できるかもしれません。

チェコ共和国

【学費】

  • チェコ語で学べば無料
  • 英語だと、年間約 €3,800

【生活費】

  • US$5,400-9,000 (東欧の生活の目安)


チェコも同じく現地語で学べば無料パターンです。


しかし、英語プログラムの学費も日本より安い上、物価が激安ですので魅力的です。町並みもきれいで、グルメもおいしいですし。

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学費が(留学生も)格安の国

オーストリア

【学費】

  • 国内・EUからの学生は無料
  • EU以外の国からのすべてのレベルの学生は、各セメスターで€726.72
  • 登録費として各セメスターで€19.20 支払う必要がある

【生活費】

  • 年間で €9,000~11,000 くらい


オーストリアは学費が安くて、街もきれいで穴場です。

特に音楽の都ウィーンに音楽留学!なんて憧れますよね。


主要言語もドイツ語ですので、ほかのローカル言語に比べると学びやすいです。ドイツ語はヨーロッパでは割と主要言語ですので。

フランス

【学費】

  • EU/EEAの学生は、学士過程€170/年、修士過程€243/年 , 博士 過程€380/年 支払う必要がある。私立ならもっとかかる。
  • 2019年から、Non-EU/EEA の学生は、 学士過程 €2,770/年、修士過程 €3,770/年 支払うことになった。博士過程については、一律€380/年 。

【生活費】

  • 年間 €9,900ほど


フランスも学費が安い国で有名です。

2019年以前は留学生も無料だったのですが、値上がりしてしまいました…


それでも、日本と比べると安いですし、物価もそれほど高くないです。

国際的な環境でフランス文化やフランス語も含めて学べると考えると、とても魅力的ですね。博士課程は特に安いです。

イタリア

【学費】

  • 国公立大は、 undergraduate level で €950-4000/年
  • postgraduate level で €1,500 /年

【生活費】

  • 年間で約€12,000


イタリアも学費が安いです。しかも、国に関わらず、どの学生にも一律の学費を求めています。分かりやすくていいですね。

スペイン

【学費】

  • 国公立大は、 undergraduate level で€750-€2,100
  • postgraduate level で、€1,320-€4,320
  • Non-EUの学生は、これらに少しプラスして払う必要が生じる

【生活費】

  • 年間で、€10,800-13,200


スペインも安いです。しかもスペイン語は世界で4番目に話者が多い言語なので、かなりお得です。


話者が多いということは当然グローバルな環境になりますし、レベルの高い大学も数多く存在するので、かなり魅力的ですね。

ベルギー

【学費】

  • EUの学生は、約€906/ 年
  • non-EUの学生は、€4,175+/年

【生活費】

  • 年間で、€10,200-11,400


ベルギーもそれほど学費は高くありません。日本の国立大より少し安いくらいです。


ベルギーは特に多言語話者が多い国ですので、言語レベルの高い人たちの中で刺激的な留学生活になるかもしれません。

ロシア

【学費】

  • すべてのレベルで、RUB 120,000-380,000 (ロシアルーブル、US$1,900-6,040)

【生活費】

  • 年間で、RUB 242,160 (US$3,850)


ロシアはとにかく物価が安いです。ただ、首都のモスクワだとそうでもないかもしれません。


ロシアは行ったことがないのでちょっと未知です。すみません。旅行でもビザが必要ですし。


ロシア留学するにあたっての懸念材料は治安でしょうか。テロの心配もありますし、お世辞にも治安が良いとは言えないでしょう。


ただ、人生で2,3回しかあったことのない僕のいとこはロシア語専攻で、僕と同じく交換留学でロシアに留学してたみたいです。

言語や現地の文化を学びに行くなら、物価も安いですし、あまりみんなが行かない国なので寧ろ面白いかもしれません。ロマンがあります。

スイス

【学費】

  • すべてのレベルでCHF 805-1,238 (~US$810-1,245)/年
  • International students はこれにプラスで支払う必要が生じる

【生活費】

  • 年間、CHF 22,734 (~US$22,875) ほど


スイスは何もかも高いイメージがありますよね?

しかし、国立大の学費は安く1年間で10万円程度で通えます。意外でした。


物価は他の国とは比べ物にならないくらい高いですが、治安は日本より良いですし、世界でも最高水準の教育が受けられる上に、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語を公用語に持つスイスでは多くの言語に触れることができます。

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学費が(留学生にとって)高い国

デンマーク

【学費】

  • 国内、EUの学生は、無料
  • その他の学生は、€6,000-16,000/年

【生活費】

  • 年間、€14,400ほど


デンマークは少し学費がお高めですが、コペンハーゲンを筆頭に美しい街で学ぶことができます。


また、デンマークは、バイオテクノロジーやデザイン系が強いので、その分野を学ぶ人にとっては特に有力な選択肢になり得ます。

アイルランド

【学費】

  • EU/EEAの学生は、undergraduate levelで無料 、 postgraduate levelで €4,000/年~
  • non-EUの学生は、undergraduate levelで €9,750/年~、 postgraduate levelは、€4,000 /年~
  • (with a fee of €3,000 for student services)

 【生活費】

  • 年間 €12,000ほど


アイルランドも、特に学士過程の学費は決して安いとは言えません。


とはいえ、アイルランドは公用語がアイルランド語と「英語」です。


英語力向上のための語学留学の場合、英語圏で学ぶということは最重要視すべき点だと思うので、アイルランドは穴場ですね。


また通貨もユーロですし、物価もイギリスに比べれば安いので、非常に住みやすい国とも言えます。

語学留学を考えている方は、是非アイルランド留学、考えて見て下さい。

オランダ

【学費】

  • EUと,ノルウェー、スイス、アイスランド, リヒテンシュタイン,スリナム の学生は、 undergraduate levelで€1,030/年 、その他のコースは€2,060 /年
  • Non-EUの学生は、 bachelor’s level で€6,000-15,000 、postgraduate levelで€8,000-20,000

【生活費】

  • 年間で、€9,600-13,200 ほど


オランダは学費がそれほど安くありません。


しかし、国民の約7割が英語を話すことができるなど、マルチリンガル国家としても知られています。どこでも英語が通じるのはポイント高いです。

スウェーデン

【学費】

  • 国内/EUの学生は無料
  • その他の学生は、ほとんどのプログラムで、年間SEK 80,000-190,000 (スウェーデンクローナ、US$9,100-21,600)

【生活費】

  • 年間で、SEK 96,000 (~US$10,900) ほど


スウェーデンは国内/EUの学生は無料ですが、その他の学生にとっては高い学費を取っています。

2012年までは留学生含めて全員無料だったみたいですが…


スウェーデンの教育は実学主義でレベルが高いことでも有名ですが、特にデザインやエネルギ工学、電子系が強く世界中から優秀な研究者や学生が集まります。


スウェーデンいいなぁ、と思いますが、やはり高額な学費と物価のダブルパンチはかなりきついでしょう。

学費が超高額な国

イギリス

【学費】

  • 国内とEUの学生は、 undergraduate level で£9,000-9,250 (~€10,500-10,780)/年
  • それ以外の学生は undergraduate level で£10,000 (~US$13,130) /年、ほとんどの修士課程で£11,000-32,000 (~US$14,440-42,000) /年

【生活費】

  • 年間、£12,180 (~US$16,000) ほど


留学と言えば、のイギリスです。やっぱり憧れのイギリスって感じでしょうか。


ご存知の通り、オックスフォードやケンブリッジのような伝統ある名高き有名大学がありますし、語学留学でブリティッシュイングリッシュに浸かるというだけでも行く価値はあります。


一方で、学費は超高額です。イギリスの大学はほとんどが国立ですが、その学費は日本の私立大をも超えてくるでしょう。


ですが、イギリスの大学制度では、学士号は3年、修士号は1年で取得できます。つまり、高い学費も短い期間で卒業できればトータルで見れば安く済む可能性もあります。

さらに、イギリスではアメリカの大学のようにリベラルアーツが主流ではなく、入学時から自分の専門に特化したことを学べます。

高い専門性を最短で身につけられるので、高い学費を一時的に払っても、それは実際は安いのかもしれませんね。

ヨーロッパの大学への留学費用 まとめ


ヨーロッパの大学/大学院への留学費用を比較しました。


気になった国はありましたか? 留学だとアメリカが定番ですが、ヨーロッパの国々も非常に魅力的です。


それぞれの留学先にはメリットとデメリットがあるはずです。

まずは自分の留学目的から留学先を絞り、その絞った中で特に自分の興味のある国や留学により生じるメリット・デメリットを考慮して留学先を決めることが大切だと感じました。


それではまた~

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